令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(無線通信技術の本格活用を通じたフレキシブルでスマートな製造現場の実現を可能とする国際的な市場の創設に関する調査))最終報告書

掲載日: 2022年4月6日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局ものづくり政策審議室
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令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(無線通信技術の本格活用を通じたフレキシブルでスマートな製造現場の実現を可能とする国際的な市場の創設に関する調査))最終報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、5Gを始めとする無線通信技術の製造現場での本格活用に関する技術動向と市場創出戦略について書かれた報告書である。

VUCAな経営環境において製造業が直面する不確実性の増大に対し、ダイナミックケイパビリティ獲得によるスマートマニュファクチャリングの実現が重要な課題となっている。5Gの低レイテンシー、高速大容量、多点接続という特性により、制御のデジタル化、距離制約からの開放、データ駆動型システムの実現が期待されるが、5Gを補完するミッシングピースとして、マルチモーダル技術、エッジAI、量子計算、ヘテロジニアスネットワーク・コンピューティング、持続性技術の獲得が必要である。

マルチモーダル技術では、多様なセンサデータを動的に収集し、CPSの進化による匠の技の形式知化を実現する。エッジAIは製造業特有のレイテンシーやセキュリティ要件に対応し、現場での学習機能拡張により新たなイノベーション領域を開拓する。量子計算は複雑な組合せ最適化問題の解決により工場管理の高度化を支援し、ヘテロジニアスコンピューティングは異なる要件に対応するフレキシブルな製造ラインを実現する。持続性技術はカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに対応した価値連鎖横断型のデジタル化を推進する。これらの技術統合により、データ主権確保と相互接続性を両立し、リファレンスモデルに基づくワンチップ化による全体最適化が可能となる。