令和3年度四国地域の中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業調査報告書(公表用)
報告書概要
この報告は、令和3年度に四国地域の中小企業サイバーセキュリティ対策促進事業について書かれた報告書である。近年サプライチェーン全体で対策が不十分な中小企業を対象とするサイバー攻撃により、大企業等への影響が顕在化しており、中小企業のサイバーセキュリティ対策は喫緊の課題となっている。令和2年度のサイバーセキュリティお助け隊実証事業では、四国内の中小企業において業種や規模を問わず例外なくサイバー攻撃を受けているが、セキュリティ対策に対する問題意識や対策が十分でない実態が明らかになった。新型コロナウイルス感染症の影響でテレワーク導入が広まる中、ランサムウェアや不正アプリ等による攻撃が増加し、中小企業へのサイバー攻撃を通じたサプライチェーン全体への脅威は増大している。四国地域では中小企業等が有効なサイバーセキュリティ対策をとるための情報共有等の枠組みが不足しており、地域に根付いたサイバーセキュリティコミュニティの形成が重要である。本事業では四国地域の産官学コミュニティから招いたセキュリティ関連の関係者による地域コミュニティの形成・継続・発展に関する意見交換会を企画・実施し、会議内容を踏まえて中小企業向けサイバーセキュリティセミナー及びセキュリティ相談会を開催した。セミナーには申込者数64名、参加者数延べ52名が参加し、アンケート調査により75%の回答者がサイバーセキュリティ対策を進めたいとの前向きな回答を得た。調査結果では約半数がサイバーセキュリティ分野のコミュニティ活動に参加したことがないが、条件が合えば参加したいという意見が6割を超えており、コミュニティへの参加意欲が高いことがわかった。また約6割の企業でサイバー保険等のリスク移転について対策がされておらず、特に零細企業では全く対策がされていない実態が明らかになった。