令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(燃料アンモニアのルール形成戦略に係る調査研究))報告書

掲載日: 2022年5月13日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部政策課
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令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業委託費(ルール形成戦略に係る調査研究(燃料アンモニアのルール形成戦略に係る調査研究))報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、燃料アンモニアのルール形成戦略について書かれた報告書である。経済産業省による令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業の一環として実施された調査研究であり、燃料アンモニアの国際標準化を目指すための包括的な調査検討を行っている。

燃料アンモニアは燃焼時に二酸化炭素を排出しないゼロエミッション燃料として注目されており、2050年カーボンニュートラルに向けた重要分野の一つに位置付けられている。燃料アンモニア導入官民協議会では2030年時点で年間300万トンの国内需要を想定しており、実用化に向けた技術開発が進められている状況である。

調査では燃料アンモニアの活用を進める上での法規制等の動向調査を実施し、設備基準、成分基準、安全基準の各分野について詳細に検討している。設備面では燃焼器のNOx排出基準、タンクの設備基準、ローディングアームの緊急離脱装置等について調査し、成分面では既存の原料用途との相違点を明確化している。安全面では高圧ガス保安法や電気事業法等の関連法規との整合性を検証し、二酸化炭素排出についてはライフサイクル全体での評価手法を検討している。

国際標準化に向けた情報収集では、アンモニアの現在の市場規模や用途を分析し、燃料用途への拡大における障壁を特定している。世界の原料用アンモニア生産量は年間約2億トンであるが、燃料用途での活用には大幅な供給量増加が必要となることが明らかになった。また化石燃料の成分規制におけるISO化の動向、燃焼設備基準及び安全基準、EUタクソノミーや米インフラ投資法等の投資基準についても調査を行っている。

検討会では学識経験者、専門家、金融関係者等で構成される委員により4回にわたる議論を実施し、日本が燃料アンモニア技術を主導している優位性を活かした国際標準化戦略を検討している。最優先でISO化に取り組むべきアイテムとしてアンモニア燃焼ボイラを抽出し、規格原案の作成に着手している。提案先として既存の技術委員会への調査を実施し、国際的な仲間作りや工程管理の重要性が確認された。