令和3年度平常時及び緊急時における石油需給動向等調査(石油統計調査等における次期システムのあり方に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、資源エネルギー庁が運用している石油情報システムの次期システム構築に向けた調査について書かれた報告書である。現行システムは平成14年から運用されており、石油製品需給動態統計調査などの3つの統計調査と緊急時報告徴収を処理している。現在のシステムはプログラム改修に高度な専門知識と時間を要し、多角的な分析が困難でデータベース管理が複雑化している課題を抱えている。さらに統計法改正やクラウド・バイ・デフォルト原則への対応が求められている状況にある。調査では現状分析、業務・IT構想策定、実行計画の3つのフェーズで検討を実施した。現行システムはETLツールとBIツールを導入した4台の仮想マシン構成となっており、データ加工・編集・集計処理を行っている。次期システムでは調査票入力・収集・登録機能のWeb化、ブラウザ経由での全利用者アクセス、クラウド基盤への移行を提言している。システム開発手法としてはウォーターフォールとアジャイルの組み合わせを推奨している。想定経費は現行システムより上回る結果となったものの、業務時間短縮とシステム運用工数低減の効果が期待される。特に調査票収集・登録業務の統一化により、資源・燃料部政策課と運用事業者双方の作業効率向上が見込まれる。クラウド化によりリモート業務とメンテナンスが可能となり、場所を問わないシステム利用が実現される。