令和3年度省エネルギー等に関する国際標準の獲得・普及促進事業物流倉庫で活用される自動化・デジタル化技術の国際展開に向けたルール形成戦略に係る調査調査報告書
報告書概要
この報告は、物流倉庫で活用される自動化・デジタル化技術の国際展開に向けたルール形成戦略について書かれた報告書である。
日本では人口減少や少子高齢化により物流業界の労働力不足が深刻化しており、新型コロナウイルス感染症を受けて非接触・非対面での業務への転換が喫緊の課題となっている。物流業務の自動化・デジタル化が重要であるが、ロボット活用の環境構築コストが大きく、中堅・中小企業への導入は進んでいない現状にある。その要因として、人の作業を前提とした業務プロセスや倉庫管理ソフトウェアの個別作りこみが挙げられるが、現時点では物流倉庫における自動化・デジタル化技術に関する国際的なルールは存在していない。
本調査では、物流倉庫で活用されるロボットの制御に関する標準化、技術の動向等を調査し、ルール形成戦略について検討を行った。特にマテハン・ロボット・上位システム間のインターフェース標準化に焦点を当て、WCS-RCS間、WMS-WCS間の3つのインターフェースを検討対象とした。
標準化に向けた課題として、データセキュリティ強化、通信規格の選定・品質改善、Middlewareの開発等が挙げられている。また、Industrie4.0の標準化事例からの学びとして、通信規格の策定、主要サプライヤとユーザー企業の巻き込み、標準間の監視機能の準備等が重要であることが示されている。技術開発動向では、システム全体のCloud化、ロボットの群制御効率向上、データ連携時のセキュリティ強化が注目されており、これらの技術課題への対応が標準化実現に向けて重要となっている。
