令和3年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(アゼルバイジャン国における「グリーン成長の実現」と連動したグリーン水素・アンモニア導入に向けたインフラ整備事業可能性調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、アゼルバイジャンにおけるグリーン水素・アンモニア導入に向けたインフラ整備事業の可能性について包括的に調査した報告書である。同国は2030年までに温室効果ガス排出量を1990年比で35%削減することを目標とし、2021年2月には「クリーンな環境およびグリーン成長」を国家優先事項と定めて、政府主導で脱炭素対策を推進している。電源構成における再生可能エネルギーの割合を現在の17%から2030年までに30%へ引き上げることを目指している。
調査では、アゼルバイジャンの水素・アンモニア市場の現状と将来予測、既設肥料工場の需要予測を実施し、同国および近隣国における市場動向を分析した。政府の脱炭素政策や投資推進のための優遇措置について調査し、現地の再生可能エネルギー導入状況を詳細に把握した。風力発電と太陽光発電の稼働状況、将来プロジェクトの動向、気象条件についても詳細な分析を行った。
技術的検討では、グリーン水素・アンモニア製造設備の最適化を実施し、再生可能エネルギー電源構成の検討を行った。水電解装置についてはアルカリ型とPEM型の比較検討を実施し、蓄電池とエネルギーマネジメントシステムによる最適化を提案した。建設地の選定、既設肥料工場への輸送・受入設備の検討、EPC遂行体制の検討も併せて実施した。
経済性評価では、概算コストの試算を行い、事業性・リスク分析を実施した。ファイナンススキームについて、日本政府機関を含む資金調達方策を検討し、温室効果ガス削減効果を定量的に算出した。グリーンアンモニア日産60トン製造時の環境効果を評価し、従来製法と比較した削減量を示した。将来展望として、現地火力発電の現状調査と近隣国へのグリーンアンモニア輸出可能性を分析し、発電用途・輸出を視野に入れた最適なロードマップを策定した。