令和3年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(ZEBの普及拡大に係る調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度にZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及拡大に係る調査について書かれた報告書である。ZEBロードマップフォローアップ委員会は、エネルギー基本計画で定められた「2020年までに新築公共建築物等で、2030年までに新築建築物の平均でZEBの実現を目指す」という目標達成に向けて、ロードマップの策定、ZEBプランナー制度の創設、設計ガイドラインの策定等を実施してきた。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、ZEBの普及を可能な限り進めていく必要があるとされ、再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースでは「ZEH、ZEBの積極的推進」との提言がなされた結果、3省合同で脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会が開催された。調査結果として、ZEBの普及状況について、2020年度にBELSを取得した非住宅建築物454件のうち45%がZEBシリーズであり、2018年度以降、ZEB取得件数は年々増加傾向にあることが明らかとなった。用途別には事務所等、工場等、病院等の順にZEB着工数が多く、規模別には300㎡以上2,000㎡未満における着工数が多いという特徴が見られた。しかし、非住宅建築物全体の着工件数に占めるZEBの割合は0.42%と非常に低い水準であることも判明した。公共建築物におけるZEBは50件程度実現しており、環境省補助事業事例やZEBリーディング・オーナー一覧等により把握されている。海外動向として、アメリカ、EU、中国等の取組状況が調査され、ZEB普及施策の検討に向けて公共施設のZEB化、最適な設備容量の実現、改修によるZEB化の促進等が検討された。
