令和3年度キャッシュレスによる店舗等運営変革促進事業調査報告書

掲載日: 2022年6月2日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ キャッシュレス推進室
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報告書概要

この報告は、令和3年度キャッシュレスによる店舗等運営変革促進事業について書かれた調査報告書である。政府は2025年6月までにキャッシュレス決済比率を4割程度まで倍増させる目標を掲げており、アフターコロナ時代の非接触・デジタル化推進の必要性から、キャッシュレス決済の普及が重要とされている。キャッシュレス・ポイント還元事業により導入店舗は一定程度増加したが、加盟店手数料等のコストとメリットが見えづらいことが課題となっている。

本報告書では、キャッシュレス決済のメリットを定量的に評価し、社会・加盟店・消費者にとってのメリットを見える化することを目的としている。中央大学大学院の藤原靜雄教授を座長とし、各業界の専門家で構成されたキャッシュレス検討会が3回開催され、クレジットカード等のコスト構造分析、キャッシュレス決済の社会的意義の検証、店舗導入メリットの定量化・見える化が実施された。

中小規模店舗に対するアンケート・ヒアリング調査、先進店舗への聞き取り調査、レジ業務時間の計測調査が行われた。調査結果により、キャッシュレス決済利用者の4割強が非対応店舗の利用を避けること、キャッシュレス決済がレジ業務時間を約35%短縮すること、セルフレジで両替頻度が3分の2減少すること、モバイルオーダーで注文受け時間が最大80%減少することなどの定量的メリットが明らかとなった。

ペーパーレス化については、売上票の電子化に関する検討が行われ、消費者控については約7割が電子データでの受領に不都合がないと回答したが、店舗控については紙での管理を必要とする店舗も存在することが判明した。今後の方向性として、加盟店手数料の透明性向上と競争活発化による引き下げ、店舗メリットの訴求、消費者不安の解消に資するサービスの展開が提言されている。