令和3年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業(電気設備技術基準国際化調査) 報告書
報告書概要
この報告は、電気設備技術基準の国際整合化について書かれた報告書である。我が国では規制緩和推進計画に基づき、内需拡大や輸入促進、事業機会拡大を図る観点から、エネルギー関連分野における規制緩和が計画的に推進されており、電気設備に関する技術基準についても国際整合化が求められている。この背景を受けて、一般社団法人日本電気協会、一般社団法人電気学会、一般社団法人電気設備学会の三団体が共同事務局となり、平成8年6月より電気設備技術基準国際化委員会を組織し、IEC規格の電技省令および電技解釈への取り入れに関する調査検討を継続している。
現在までの取り組みとして、低圧分野のIEC 60364規格は平成11年11月に電技解釈第218条として、高圧・特別高圧分野のIEC 61936-1規格は平成22年1月に電技解釈第219条として取り入れが図られ、電技解釈の国際整合化について一応の成果を収めている。今年度事業では、IEC 60364規格群の制改定への対応を中心に、改定されたIEC 60364-5-53規格の電技解釈への取り入れ可否検討、取り入れ可となった規格の適用課題や制限事項の検討、逐条解説の見直し、主要用語の抽出と解説作成を実施している。
また、すでに電技解釈第218条に取り込まれているIEC規格の対応JIS化原案について、IEC 60364-4-41、IEC 60364-4-42、IEC 60364-4-44の各規格のJIS化原案を基に電技解釈への取り入れ可否を検討している。これらの検討により、我が国の電気設備技術基準と国際規格との整合性を保ちながら、保安水準を確保した技術基準の運用が可能となる。今後もIEC/TC64による規格の制定・改正に対する継続的なフォローと、IEC 60364のJIS化および普及活動について官民共同での対応が必要である。
