令和3年度化学物質安全対策(化管法の見直しに関する調査)報告書

掲載日: 2022年6月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質リスク評価室
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報告書概要

この報告は、化学物質の適正な管理を目的とした化管法の見直しに関する令和3年度の調査について書かれた報告書である。

化管法は特定化学物質の環境への排出量の把握と管理改善を促進する法律で、PRTR制度とSDS制度により事業者の自主的な化学物質管理改善を図るものである。今回の調査では改正後の化管法の適切な施行に向けた措置と中長期的課題への対応について検討が行われた。

調査内容として、まず化管法及び見直しに関する周知活動が実施された。一般向けと自治体向けの講習会を開催し、改正のポイントをまとめたパンフレットやチラシの作成も行った。講習会は新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン形式で実施され、特設サイトを通じて動画配信を行った結果、従来の対面実施より多くの参加者を得ることができた。

次に、PRTR排出量等算出マニュアルの見直しが実施された。新規対象候補物質約200物質について用途情報や物性情報を収集し、業界団体への聞き取り調査を通じて使用実態や排出量算出事例を調査した。その結果に基づきマニュアルの更新と今後の課題整理が行われた。

化管法指定化学物質のハザードデータの整理では、改正後の指定化学物質約650物質について選定根拠となった有害性情報をハザードデータシートとして整理した。中長期的課題の検討では、より環境への排出実態を反映した物質選定を行うため、化審法で使用している排出係数を活用した推計排出量の検討が行われた。

最後に、ツールを活用した化学物質のリスク評価調査では、国が提供するばく露評価ツールMETI-LISの活用促進のための調査が実施された。令和2年度の事業者による評価結果を踏まえ、利用者がMETI-LISを活用した自主管理に取り組みやすくするための具体的な活用方法や事例集の作成が行われた。これらの取り組みを通じて、事業者による化学物質の自主的管理改善と環境保全上の支障の未然防止が図られている。