令和3年度化学物質安全対策(オゾン層破壊物質等の削減及び支援プロジェクト推進等事業)報告書

掲載日: 2022年6月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課オゾン層保護等推進室
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報告書概要

この報告は、オゾン層破壊物質の削減と代替フロン対策に関する令和3年度の調査事業について書かれた報告書である。

本調査事業は、モントリオール議定書に基づくオゾン層破壊物質(ODS)の全廃と、2016年のキガリ改正により新たに規制対象となったハイドロフルオロカーボン(HFC)の削減対策に関する包括的な調査研究を実施したものである。

事業内容は大きく三つの分野に分かれており、第一に我が国フロン政策執行のための欧米法規制等調査では、カーボンニュートラル関連の各国動向調査を実施し、ドイツ、フランス、イギリス等の欧州各国と米国、カナダにおける温室効果ガス長期戦略とフロン類の位置づけを詳細に調査した。各国ともに2050年カーボンニュートラル目標を掲げており、ドイツでは2045年までの気候中立達成、フランスではHFC冷媒への課税導入、イギリスではキガリ改正の達成、スペインでは代替技術により2050年に94%の排出削減を目指すなど、それぞれ異なるアプローチでフロン類削減に取り組んでいることが明らかとなった。

各国法制度調査では、特に再生、破壊、回収に関する米国及びEUの具体的な破壊技術と破壊認定制度の運用状況を調査し、2021年9月のモントリオール議定書技術経済評価パネルのプログレスレポートに基づき、破壊技術の評価基準を分析した。濃縮源では99.99%、希釈源では95%の破壊除去効率(DRE)が最低基準とされ、セメントキルン、液体注入焼却、回転キルン焼却、プラズマアーク等の各種破壊技術について適用可能性が評価されている。

キガリ改正の執行改善調査では、国内製造事業者及び輸入事業者に対するHFC規制の浸透と関連申請手続きの周知を図り、破壊関連省令の施行に伴う運用指針の整備を実施した。第二の調査分野である5条国向け協力関連調査では、環境技術を有する日本企業の途上国協力可能性調査と、ベトナムにおけるR-32冷媒転換プロジェクトの支援を行った。第三のモントリオール議定書関連調査では、国際会合資料の要約作成と我が国対処方針策定支援を実施した。