令和3年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子デバイス産業及びその関連産業における市場動向及び政策動向調査)
報告書概要
この報告は、世界の電子デバイス産業・半導体市場の動向と、特に中国を中心とした地域別の産業分析について書かれた報告書である。現在、IoT、ビッグデータ、人工知能等の新技術が産業構造に革新をもたらす中、半導体や電子部品は次世代産業実現の基盤となるキーデバイスとして重要性が高まっている。グローバルな事業統合や協業が加速する環境下で、我が国電子デバイス産業の競争力維持強化に向けた政策立案を目的とした市場調査・分析が実施されている。半導体製品はDRAM、SRAM、NANDフラッシュ、NORフラッシュ等のメモリ類から、マイクロコンポーネントIC、ロジックIC、アナログIC、ディスクリート、光半導体、センサー・アクチュエータまで幅広く分類されている。サーバー市場では、クラウド・データセンター需要拡大によりエンタープライズサーバー需要が継続的に増加しており、2020年にはコロナ禍でのリモート需要が成長を牽引した。中国における半導体産業の現状調査では、中国企業・海外企業による生産体制の分析が行われている。各国政府による半導体企業への税制優遇措置や特区制度についても詳細な比較検討がなされており、パワー半導体、グリーン産業関連半導体、ITリモート関連半導体等の注目分野における市場動向が分析されている。ディスプレイ市場では、次世代技術としてMicro LEDが注目されているが、製造コストの課題が存在し、2025年時点で75インチTV用では従来のTFT LCDに比べ約21倍のコスト差が予想されている。実用化に向けて超大画面サイズと超小型サイズの両面からアプローチが進められており、SonyやSamsungが先行して製品化を開始している。今後は2023年からデスクトップモニター、2024年から車載モニター向けへの展開が想定されているが、量産技術の確立と設備投資動向には不確定要素が残されている。
