令和3年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(【中国】中国における事業環境等に関する分析)調査報告書
報告書概要
この報告は、中国における日本企業のビジネス環境および製造業のデジタル化に関する調査報告書である。調査対象は化学品、化粧品、医療機器、医薬品、越境EC分野のビジネス環境改善と、日中両国の製造業高度化・デジタル化の現状および協力可能性についてである。化学品分野では第14次5カ年規画により環境配慮型のグリーン化対応と化学物質管理の厳格化が進み、危険化学品管理制度の改正や新化学物質環境管理登記弁法の施行により企業の主体的責任が強化されている。VOC削減やプラスチック規制の強化が進む一方で、危険廃棄物処理の改善や省を跨ぐ輸送制限の緩和が図られている。化粧品分野では化粧品監督管理条例の施行により登録備案制度が確立され、動物実験の免除範囲拡大や成分安全性評価の合理化が進んでいる。医療機器分野では医療機器登録管理弁法の改正により審査期間の短縮や臨床試験制度の改善が行われ、医薬品分野では薬品管理法の改正により MAH制度の導入や審査承認制度の最適化が実現している。越境EC分野では税制優遇政策の継続や正面リスト拡大により市場環境が改善されつつある。製造業のデジタル化については、日本がSociety5.0の実現を目指す中、中国も第14次5カ年計画でデジタル経済の発展とスマート製造の推進を重点政策として位置づけている。中独インダストリー4.0標準化協力の成功事例を踏まえ、日中間でもスマート製造分野における標準化協力の可能性が高まっており、特にプロセス管理ソフトウェア技術、ロボット設備技術、ハイエンド材料加工技術等において協力の機会が期待される。
