令和3年度産業技術調査事業国際共同研究の推進のための研究機関等の組織的対応に関する調査 調査報告書

掲載日: 2022年6月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局総務課国際室
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報告書概要

この報告は、国際共同研究の推進のための研究機関等の組織的対応について書かれた報告書である。研究開発において国際的なオープン・イノベーションを推進する必要がある中、国際共同研究は研究者個人のボトムアップによる判断で実施されるケースが多く、研究機関全体として最適な選択が行われない恐れがあるという課題を背景としている。また、ファンディング・エージェンシー等の支援機関において国際共同研究の選択が適切に評価されなければ、資金支援が適切に行われず、全体最適が実現しない可能性も指摘されている。

調査では文献調査、海外ヒアリング調査、有識者研究会を通じて情報収集を実施した。海外研究機関・大学等については、MIT、オックスフォード大学、CNRS、フラウンホーファーの4機関に対し、国際連携ポリシーの有無と内容、組織的関与の仕組み、国際共同研究の実施プロセス等について調査を行った。海外ファンディング・エージェンシーについては、NSF、UKRI、ERC、ANRの4機関に対し、海外研究開発動向の情報分析機能、資金配分の決定プロセス、国際共同研究の評価軸等について調査を実施した。

調査結果から、研究機関においては国際協定やMOUの締結、国際プロジェクトサポート部署の設置により国際共同研究を推進している例が多く、外国拠点やネットワークの活用も行われていることが判明した。ファンディング・エージェンシーにおいては、外国機関のプロジェクト参加について一定の条件下で審査を経て可否を判断している例が多く、外国機関を資金提供の対象外とする場合もあることが確認された。課題として技術流出や安全保障への懸念、知的財産契約での衝突可能性、予算や時間的調整の困難さ等が挙げられている。