令和3年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(原子力発電施設等立地地域経済支援)特産品や観光資源を活用した地域ブランド力の強化事業実施報告書
報告書概要
この報告は、原子力発電施設立地地域における特産品や観光資源を活用した地域ブランド力の強化事業について書かれた報告書である。志賀原子力発電所が立地する石川県志賀町及び近隣市町において、令和3年度に実施された経済支援事業の実施内容と成果をまとめている。
事業の主要内容は、特産品の販路開拓およびブランド力強化と、地域資源を活用した観光振興に分けられる。特産品の販路開拓では、石川県アンテナショップでの展示会開催、北陸地域のサービスエリア・パーキングエリアとのマッチング会参加、首都圏バイヤーマッチングの実施が行われた。石川県アンテナショップでの展示会では3日間で134名のアンケートを収集し、能登志賀ころ柿や芋焼酎、干しいも、能登牛レトルトカレー、もち麦うどんなどの特産品について一般消費者からの評価を得た。
観光振興面では、志賀町を訪れる観光客へのアンケート調査を実施し、来訪者の属性や旅行形態、消費行動の実態を把握した。調査結果によると、志賀町を訪れる旅行客の半数は県内旅行者であり、志賀町を主目的とするのではなく金沢や能登地域への訪問の一環として立ち寄る傾向が確認された。また、志賀町内の宿泊施設利用者は非常に少なく、県外客の方が県内客よりも旅行予算が多いことが判明した。
地域ブランド強化に向けたセミナーも開催され、能登地域の事業者27名が参加し、関係人口作りやワーケーション、デザインによる農業・食のブランド化について専門家による講演が行われた。
報告書では、今後の課題として生産体制・経営体制の未整備、知名度の低さ、販路拡大への意欲不足、関係人口拡大の必要性を挙げている。解決方法として、能登地域の特産品の広域PR、受け入れ体制の強化、生産事業者・観光事業者の主体的参画による課題解決の取り組みが必要であると結論づけている。
