令和3年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業 (東部インドネシアにおける洋上天然ガス発電プラント及びLNG配送インフラ整備事業化調査事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、東部インドネシアにおける洋上天然ガス発電プラント及びLNG配送インフラ整備事業について書かれた報告書である。インドネシア政府は2020年に新たな省令を発出し、2022年末までに全国52サイトの発電所を天然ガスに転換することを指示し、国営企業プルタミナが実施機関として指定された。日系コンソーシアムは2017年の日尼協力覚書に基づき、本事業の実現に向けて活動を展開している。
事業の背景として、インドネシアではディーゼル発電から天然ガス発電への転換が急務となっており、PGNが2021年に30サイトを対象とした共同事業パートナー選定を実施した。本調査では、日本技術のLNG配送インフラ整備事業への組み込み、日系コンソーシアムのパートナー選定支援、および東インドネシア地域へのLNG配送インフラ定着が主要目的とされている。
技術面では小型LNG船やシャトル船スキームのコスト構造分析、船舶乗組員のライセンス要件、ISO LNG タンク安全規格の調査が実施された。法規制面では国営企業とのパートナーシップ組成、環境許認可、現地調達要件などが検討されている。
経済効果として、ディーゼル発電からガス発電への転換により年間約92万トンのCO2削減が見込まれ、炭素社会コスト換算で2800万ドル相当の削減効果が期待される。さらに中部スラウェシ州ではCCUS技術を活用したブルーアンモニア製造の日尼協力事業が進行しており、LNGサプライチェーン上流部分でのパイロット事業として位置づけられている。
