令和3年度中小企業実態調査事業(中小企業の事業再生・事業再構築等に関する調査)報告書

掲載日: 2022年6月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部金融課
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報告書概要

この報告は、令和3年度に実施された中小企業の事業再生・事業再構築および経営者保証に関する実態調査について書かれた報告書である。

株式会社帝国データバンクが実施したこの調査は、コロナ禍において債務の過剰感を抱く中小企業が約3割超存在し、今後事業再生の本格化が見込まれる状況を背景としている。調査は事業再生に関する調査と経営者保証に関する調査の2つの柱で構成されており、前者では中小企業3,000社を対象とし507社から回答を得て、事業再生の実態や課題を分析した。後者では25,000社を対象とし約3,000社から回答を得て、経営者保証を提供している中小企業の財務状況や実態を調査した。

事業再生調査の結果では、地域・業界の景気について「悪い・計」が60.0%を占め、「良い・計」は10.1%に留まった。事業再生に対するイメージでは、多くの企業が負のイメージを持っており、決断時の障壁として資金繰りの困難さや経営者保証の問題が挙げられた。事業再生を経験した企業では、計画期間が当初予定より長期化する傾向があり、再生後の事業活動においても様々な課題が残ることが明らかになった。

経営者保証に関する調査では、中小企業の多くが経営者保証を提供している実態が判明し、保証提供企業と非提供企業との間で財務状況や経営実態に違いがあることが確認された。また、メインバンクとの関係性や本業支援の状況についても詳細な分析が行われ、経営者保証が企業経営に与える影響について定量的な分析が実施された。本調査の結果は、中小企業の事業再生環境の整備や経営者保証制度の改善に向けた政策検討の基礎資料として活用されることが期待される。