令和3年度産業経済研究委託事業(女性起業家支援に係る支援のあり方及び支援者連携スキームに係る調査)事業報告書

掲載日: 2022年6月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局社会政策室
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令和3年度産業経済研究委託事業(女性起業家支援に係る支援のあり方及び支援者連携スキームに係る調査)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、女性起業家支援に係る支援のあり方及び支援者連携スキームに係る調査について書かれた報告書である。経済産業省は女性の起業を支援するため、令和2年12月に「わたしの起業応援団」を設立し、全国250以上の支援機関が会員として登録している特徴を活かし、地域やセクターを超えた支援体制を構築して女性起業家に対する新たな支援モデルを試行した。本事業における伴走支援の特徴は、広域連携支援型と支援チーム型であり、地域の枠を超えて複数の支援機関が支援チームとして女性起業家に伴走支援を提供することで、多様な支援や多様な選択肢を提供可能であることが実証された。

支援機関にとっては、他の支援機関やアドバイザーからの学びや他機関との連携など、学びの場として機能することが分かった。女性起業家に対する効果として、複数の支援機関からの助言により取捨選択等の意思決定を繰り返し経験し、経営者として重要な決断力が培われた。また、一般的な1対1のメンタリング形態と異なり、多方面から多角的な意見が提供されたため、女性起業家の選択肢が広がるとともに起業活動にすぐに活かすことができた。支援機関同士においては、他の支援機関とのネットワークや新たな人脈を形成することができ、伴走支援期間の終了後も継続的な支援関係が維持されている。

本事業では、支援チームによる伴走支援の価値を広めていくアンバサダーのような役割を支援機関に付与することで、ネットワーク内での自律的な支援活動の活発化が期待される。今回の伴走支援により得られた知見やノウハウ、体験談をネットワークに所属する支援機関に共有することで、各支援機関の知見やスキルの向上に加えて、ネットワーク全体の機能向上に貢献できた。本事業より得られた知見やノウハウがわたしの起業応援団にフィードバックされることで、さらなるネットワークの機能強化を通じた効果的な支援の拡充が見込まれ、次年度以降も本ネットワークにおいて活用可能な支援モデルとして確立された。