令和3年度原子力の利用状況等に関する調査(原子力分野における国際協力枠組み等に関する調査)報告書

掲載日: 2022年6月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課
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報告書概要

この報告は、令和3年度における原子力分野の国際協力枠組み等に関する調査について書かれた報告書である。国際原子力エネルギー協力フレームワーク(IFNEC)を中心とした多国間協力体制における議論動向と、日米原子力協力ラウンドテーブルを軸とした二国間協力の実績を詳細に分析している。IFNECは34ヵ国が加盟し、運営グループの下に基盤整備、核燃料サービス、原子力供給国・需要国協力の三つのワーキンググループを設置して活動を展開している。2021年度は新型コロナウィルス感染症の影響によりすべての会合がオンライン形式で実施され、小型モジュール炉の資金調達、ESG投資基準における原子力の位置づけ、COP26における気候変動対策としての原子力の役割などが重要議題として議論された。特に小型モジュール炉については建設期間の短縮やプロジェクト規模の縮小による財務面でのメリットが注目され、エストニアやケニアなどの導入検討国から具体的な計画が示された。日米ラウンドテーブルでは高温ガス炉技術開発協力を中心とした議論が継続され、両国の技術協力体制の強化が図られた。また国際機関による主要報告書の分析では、IAEAがネットゼロ目標達成における原子力の重要性を強調し、OECD/NEAが既存原子力発電所の長期運転や新型炉システムの将来エネルギー市場への適合性について詳細な検討結果を発表している。これらの国際的議論を通じて、原子力が気候変動対策の重要な選択肢として再評価されつつあり、技術中立的な政策枠組みの必要性や国際協力の重要性が改めて確認された。