令和3年度中小企業関係租税特別措置の効果に関する調査研究 中小企業関係税制に関するアンケート調査報告書
報告書概要
この報告は、中小企業関係税制の利用実態と政策効果について書かれた報告書である。株式会社帝国データバンクが2021年に実施した調査では、全国20,000社の法人を対象とした郵送調査で4,412件、個人事業主1,000件を対象としたインターネット調査により、中小企業関係租税特別措置の利用状況を分析している。交際費課税の特例については、64.3%の企業が定額控除限度額800万円までの全額損金算入を利用しており、主要な支出項目は飲食費が89.4%、贈答費が76.5%となっている。新型コロナウイルス感染症の影響により、89.7%の企業で飲食費が減少したものの、感染症収束後は53.0%の企業がコロナ以前の水準程度の支出を予定している。企業は交際費を既存顧客との取引維持・拡大のために74.8%が必要と回答し、商慣行上の必要性も57.3%が認識している。少額特例については、30万円未満の減価償却資産の即時償却制度の利用実態と効果を調査している。先端設備等導入制度による固定資産税軽減措置や事業承継税制についても、中小企業における活用状況と課題を詳細に分析している。個人事業主向け調査では、事業承継に関する意識や準備状況を把握し、税制面での支援策の必要性を検証している。調査結果から、中小企業関係税制は企業の事業運営において重要な役割を果たしており、制度の継続と改善の必要性が明らかになっている。
