令和3年度燃料安定供給対策に関する調査事業(石油ガス価格調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、液化石油ガス(LPガス)の価格動向について書かれた報告書である。令和3年4月末現在の全国平均販売価格は、家庭用5立方メートルが4,977円、10立方メートルが7,962円、20立方メートルが13,620円、50立方メートルが29,040円となっており、いずれも前回調査より上昇している。家庭用10立方メートルの対前年同月比は100.7%で58円の値上がりとなっている。卸売価格についても前回調査時より13.6円/kg上昇し、135.5円/kgとなった。
報告書は平成19年2月から現在までのLPガス輸入価格、卸価格、小売価格及び原油輸入価格の推移を示している。令和3年4月における原油輸入価格は45,666円/kℓ、LPGが65,929円/tであり、いずれも前回調査から大幅に上昇している。LPガスの卸売価格は2,811円、小売価格は7,981円となっており、前回調査から92円/tの値上がりを記録した。
液化石油ガス流通価格の推移については、上流のFOB価格から下流の小売価格まで各段階における価格変動が詳細に記載されている。サウジアラビアの公式販売価格を基準とし、現地船積みから日本到着まで概ね1ヶ月かかることを考慮して前月価格を記載している。各経済産業局管内別の価格動向も示されており、地域差が存在することが確認できる。
報告書の参考資料として、LPガス価格の長期的な推移が1トンあたりの価格で示されており、1987年度から2021年度までの契約価格、為替レート、CIF価格、卸売価格、家庭用価格の変遷が記録されている。特に令和4年3月にはサウジアラムコ社がプロパン895ドル/トン、ブタン920ドル/トンという高水準の価格を設定したことが報告されている。