令和3年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(経済産業省のDX加速に向けた行政機関におけるサービスデザイン調査事業)事業報告書
報告書概要
この報告書は、経済産業省のDX加速に向けた行政機関におけるサービスデザイン調査事業について書かれた報告書である。経済産業省では令和7年中に省内行政手続のオンライン化率100%達成を目標としているが、従来のIT有識者主導のアプローチでは人員リソースとガバナンスの観点から限界があった。本事業では行政職員が自立してオンライン化業務を推進できる体制構築を目指し、サービスデザインプロセスを活用した調査を実施した。調査手法は課題調査、解決策検討、検証の3段階で構成され、まずリサーチフェーズでアンケートとインタビューを通じて現状把握と課題発見を行った。続いてアイディエーションフェーズで複数人によるアイデア発散・収束を実施し、プロトタイピングフェーズで省内向け新サービスの試作品を作成した。ユーザテストフェーズでは試作品に対する使用感フィードバックを収集し、最終的にプロダクト制作フェーズで実際のサービスを制作した。本事業により明らかになった要点として、行政職員がオンライン化業務の全体工程を理解しにくく、情報が散在していることで何をどう参照すべきか判断が困難である課題が特定された。これに対する解決策として「METI DXポータル」を開発し、オンライン化達成度ダッシュボード、行政手続オンライン化の目的・ゴール、ステークホルダーの役割定義、よくある質問集などのコンテンツを提供することとした。さらに87の企画アイデアを抽出し、クイック改善施策と中長期改善施策に分類して整理した。次年度への推奨アクションとして、リリースしたポータルコンテンツの効果検証と改善の継続、中長期改善施策の優先度付けと実行が提案されている。