令和3年度 令和元年台風第19号グループ補助金活用後の復旧・復興状況等に関する調査報告書
報告書概要
この報告は、令和元年台風第19号グループ補助金活用後の復旧・復興状況等について書かれた報告書である。令和元年10月12日に関東・東北地方を襲った台風第19号により、宮城県・福島県・栃木県・長野県で甚大な被害が発生し、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業として1,136者に交付されたグループ補助金の活用状況と復旧・復興の実態を調査したものである。アンケート調査では816者から回答を得て、工事進捗状況については90.3%が令和3年3月末までに完了している一方、雇用については被災直前比105.4%まで回復しているが、売上については59.8%の事業者が減少しており、特に宿泊・飲食業の回復が遅れている状況が明らかになった。売上回復していない主な要因として新型コロナウイルス感染症の影響が40.0%と最も多く、既存顧客の喪失が19.0%となっている。事例集では12社の具体的な復旧・復興事例を紹介しており、やじま印刷株式会社では複数の補助金を活用して新たな設備導入により復旧を加速し、栃木グランドホテルでは過去の被災経験を活かした迅速な対応により休業を回避している。長野県のカイシンエレクトロニクスは機械設備の入れ替えにより早期完全復旧を実現し、チャーリーのえのき工場では工場の早期復旧により地元雇用拡大に貢献した。株式会社ミールケアでは本社・工場水没から復興し商品開発部署を新設するなど、各事業者が補助金を効果的に活用して復旧・復興を図っている実態が報告されている。