令和3年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(福井県嶺南地域間連携による地域活性化支援事業)報告書

掲載日: 2022年7月21日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局資源エネルギー環境部電力・ガス事業課
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令和3年度原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業(福井県嶺南地域間連携による地域活性化支援事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、福井県嶺南地域における観光振興による地域活性化について書かれた報告書である。2024年春の北陸新幹線敦賀延伸と2025年大阪・関西万博開催を見据え、嶺南地域(敦賀市、小浜市、美浜町、若狭町、おおい町、高浜町)の観光産業を成熟させ、地域が潤う仕組みの構築を目指している。事業では観光アドバイザーを現地に派遣し、地域資源の発掘と観光戦略の策定を行った。先進事例として、南信州観光公社の体験観光、信越自然郷の市町村連携、ワインツーリズムやまなしの地域産品活用、美ら地球の田舎体験ツアー、富山県の新幹線開業に向けたブランディングの5つを分析した。これらの事例から、成功する観光戦略には地域資源の再評価・再定義による集客と持続可能な地域共存システムの構築が必要であることが明らかとなった。嶺南地域の現状分析では、人口減少が続く中、観光入込客数は令和元年度まで増加傾向にあったが、新型コロナウイルスの影響で大幅に減少した。市町別では敦賀市と小浜市で過半数を占め、目的別入込状況は各市町で特徴が異なることが判明した。アドバイザーからの提案では、嶺南地域の強みとして豊かな自然環境、食文化、歴史文化が挙げられ、課題として認知度の低さや連携不足が指摘された。最終的に提示された観光戦略では、マーケットイン発想による集客と地域内経済循環の向上を軸とし、広域的視点での連携強化が重要であるとした。ワーケーション活用戦略では、地域を巡る滞在型プログラムや仕事体験ツアーによる関係人口創出を提案している。