令和3年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(電子タグのサプライチェーンの実態等調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業における電子タグのサプライチェーンの実態等調査について書かれた報告書である。電子タグとはRFID技術を利用した無線電波による非接触データ読み書きシステムであり、一括読み取り可能、距離がある場合の読み取り可能、箱の開封なしでの読み取り可能、長寿命といった特徴を持つ。電子タグの製造工程はICチップ製造、アンテナ・インレイ製造、ラベル製造、データマーキングの4つに大別され、ICチップ製造では半導体製造の前工程が必要となる。各工程における主要企業として、ICチップ製造ではインピンジ、NXPセミコンダクターズ、エイリアンなどの海外企業が、アンテナ・インレイ製造では村田製作所、凸版印刷、大日本印刷などの日本企業が参入している。世界的な半導体不足の影響により電子タグの価格動向にも変化が生じており、国内外における1枚当たり単価の推移が調査されている。日本企業の参入可能性については製造工程別の現状と今後の展望が分析され、半導体市場動向および製造装置市場動向も含めて検討されている。さらにRFID技術を活用した新たなビジネスの可能性として、医療・福祉分野での在庫管理や資産管理、情報通信業での資産所在管理など多様な活用事例が紹介されており、これらの事例では大幅な作業時間短縮や精度向上が実現されている。
