令和3年度「新エネルギー等の導入促進のための広報等事業委託費における再エネ導入・運転人材育成支援事業(木質バイオマス発電における人材育成)」調査報告書 概要版

掲載日: 2022年7月29日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課
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令和3年度「新エネルギー等の導入促進のための広報等事業委託費における再エネ導入・運転人材育成支援事業(木質バイオマス発電における人材育成)」調査報告書 概要版のサムネイル

報告書概要

この報告は、木質バイオマス発電における人材育成について書かれた報告書である。再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、木質バイオマス発電所の安定的・効率的な運営に必要なエンジニア人材を育成するための研修用技術資料及びカリキュラムを作成し、設備利用率の向上を図ることを目的として実施された調査事業の成果がまとめられている。

調査では全国11か所の木質バイオマス発電所に対してヒアリングを実施し、稼働状況や技術的課題への取り組み状況、サプライチェーンに関する要素、人材育成等に向けた課題把握を行った。また、木質バイオマス利活用システムやバイオマスエネルギーシステムの専門家8名からなる検討委員会を設置し、テキスト構成やカリキュラム案について検討を重ねた。

人材育成のターゲット層はバイオマス発電所の運転管理者および運転作業員とし、2022年度以降の研修利用と自己学習を前提とした人材育成テキストを作成した。求められる技術人材像については、木質バイオマス発電所が主力電源として機能するために、安定的かつ安全な運営を確保し高い設備利用率を実現する運転制御技術や保全知識を持ち、トラブルに対する問題解決能力を有する技術者と定義された。

研修カリキュラムは基礎コースと指導者育成コースの二段階で構成され、基礎コースでは木質バイオマス発電の基礎知識から運転管理、保全技術まで幅広い内容を扱い、指導者育成コースでは最新の政策動向や技術動向の講義とワークショップを組み合わせた実践的な内容となっている。木質バイオマス発電所の安定稼働確保は発電事業単体のみならず、サプライチェーン全体を通じて社会的価値を安定的に生み出すことにつながるため、技術の次世代継承が重要であると結論付けられている。