令和3年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(ジョージア国・トビリシ地下鉄車両調達事業計画調査)事業報告書

掲載日: 2022年8月3日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局国際プラント・インフラシステム・水ビジネス推進室
委託事業者: 株式会社パデコ
タグ: 海外展開
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令和3年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(ジョージア国・トビリシ地下鉄車両調達事業計画調査)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、ジョージア国トビリシ市の地下鉄車両調達事業について、事業実施可能性を調査した報告書である。令和3年度に株式会社パデコが実施した質の高いインフラの海外展開に向けた調査である。

ジョージア国の首都トビリシは人口約117万人を擁し、地下鉄は2路線23駅で運行されているが、車両の老朽化が深刻な問題となっている。現在運行中の車両は1980年代から1990年代に製造されたソ連製で、既に耐用年数を大幅に超過しており、設備更新の緊急性が高い状況である。また、システム全体の改良も必要とされている。

調査では、車両システム、電力供給システム、信号・通信システム、車両基地・工場設備の現況分析を実施し、新車両調達プロジェクトの技術要件を検討した。新車両は省エネルギー性能に優れたVVVFインバータ制御車両を想定し、既存インフラとの互換性を確保しながら、段階的な更新計画を策定した。事業費は約400億円と推定され、財務分析の結果、経済的妥当性が確認された。

実施体制としてはデザイン・ビルド方式を提案し、日本の技術的優位性を活かした車両調達を想定している。環境社会配慮の観点からは、新車両導入により騒音低減や省エネルギー効果が期待される。資金調達については、JBIC輸出金融等の日本の支援スキームを活用することが検討されている。プロジェクトの実現に向けては、ジョージア政府による借款要請と詳細設計の実施が必要であり、段階的なアプローチによる事業推進が提案されている。