令和3年度クラウド型名刺管理・共有サービスの利用による人脈共有の効果に関する実証及び調査報告
報告書概要
この報告は、経済産業省が令和3年度に実施したクラウド型名刺管理・共有サービス「Sansan」を活用した人脈共有の効果に関する実証及び調査について書かれた報告書である。本実証事業は、国内外の産業構造が急速に変化する中で、変化の潮流や市場プレイヤーの課題を察知し、現場に即した経済産業政策を立案・実行するため、職員間での事業者・有識者との接触情報の共有を目的として実施された。対象者は経済産業省職員5,287名であり、2021年4月から2022年3月までの期間において、本省職員4,000名に加えて地方支分部局職員も対象に含めることで、地方支分部局の人脈を本省と共有する効果を実証した。利用サービスとして5,500IDのライセンス、スキャナ50台、年間400,000枚の名刺取り込み枠を提供し、専任担当による導入支援を行った。実証期間中には推進リーダ向け導入説明会、地方支分部局向け導入説明会、過去名刺のスキャン支援、勉強会の開催、オンライン名刺の活用促進などの利用促進施策を実施した。分析結果として、名刺重複率の高い部署では中国局産業技術連携課が59.188%を示し、低い部署では関東局新エネルギー対策課が20.622%となり、部署間での人脈共有状況に差があることが明らかになった。この実証により地方支分部局との人脈共有が行政機関にもたらす価値や、民間企業と経済産業省のネットワークの可視化効果が確認され、現場の声を政策立案に反映させる仕組みの有効性が示された。
