令和3年度「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(テーマ2))」成果報告書

報告書概要

この報告は、令和3年度に実施された「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実証プロジェクト(テーマ2))」について書かれた成果報告書である。

本事業は、自動運転レベル4等の先進モビリティサービスの社会実装を目指すRoAD to the L4プロジェクトの一環として実施された。テーマ2事業では、無人自動運転サービスの対象エリアや車両を拡大し、事業性を向上させることを目的としている。2025年度までに多様なエリアで多様な車両を用いた無人自動運転サービスを40カ所以上で実現することが成果目標として設定されている。

日本工営株式会社を中心とした実施体制のもと、国立研究開発法人産業技術総合研究所、一般財団法人日本自動車研究所、先進モビリティ株式会社が連携して事業を推進した。検討は高度化編と多様化編の両軸で進められており、高度化検討では日立地域をモデル地域として選定し、ひたちBRTにおける無人自動運転移動サービスの社会実装に向けた具体的な取組を実施した。

高度化編では、走行環境や運行条件の整理、車両開発、遠隔監視システムの開発、インフラ連携の仕組み検討などを行った。ODD(運行設計領域)の設定、安全設計ガイドの高度化、セーフティアセスメントの手法開発などを通じて、無人自動運転移動サービスの安全性確保に向けた技術的基盤を構築した。車両開発では、自動運転レベルの高度化に向けた設計、ハードウェア・ソフトウェアの開発、物体認識試験などを実施している。

多様化編では、OEMや車両開発者、運行事業者等で構成するタスクフォースを立ち上げ、ODD類型化や代表的なユースケースの抽出を行った。無人自動運転移動サービスの類型化、事業モデルの多様化検討、日本版セーフティレポートの検討などを通じて、横展開に向けた基盤整備を進めた。また、インフラ連携については、磁気マーカの有効性や信号連携の課題を整理し、交差点での安全走行におけるインフラ情報の信頼性や責任区分について検討を行った。

次年度に向けては、タスクフォースの継続実施と具体的な議論の加速、ガイドラインの位置付けの明確化、テーマ4との連携によるインフラ連携の詳細検討などが課題として挙げられている。