令和3年度「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(自動走行システムの安全性評価基盤構築に向けた研究開発プロジェクト)」
報告書概要
この報告は、令和3年度の無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業の一環として実施された「自動走行システムの安全性評価基盤構築に向けた研究開発プロジェクト」について書かれた報告書である。本事業は経済産業省の委託により一般財団法人日本自動車研究所が実施し、SAKURAプロジェクトの活動を引き継ぎ、高速道路で確立した安全性評価手法を一般道に拡張するとともに、交通外乱・認識外乱・車両外乱が結合したシナリオを生成できるシナリオデータベースの開発を目標とした。また、内閣府SIP自動運転のDIVPコンソーシアムとも連携し、自動運転及び先進運転支援システムに係る開発プロセスなどに活用できる安全性評価基盤構築を検討した。具体的な取り組みとして、自動運転車の検証に必要な安全性評価基盤構築の検討では、認識外乱・車両外乱をシナリオDBに組み込めるようにモデル化を行い、一般道への拡張に向けて一般道シナリオ体系をベースとしたモデル化を実施した。さらに、シナリオDBから出力されるシナリオがDIVPの仮想評価環境に入力できるフォーマットを策定し、評価結果をシナリオDB内で一元管理できる設計を行った。交通外乱シナリオDBの分析及び検討では、合理的に予見可能な範囲の特定手法および回避可能な範囲について技術的・科学的根拠に基づく証明を行い、合流・分岐路におけるシナリオの分析や自車レーンチェンジ時の判断基準提案に活用可能なエビデンスを整備した。国際協調・標準化活動では、ISO34502の策定に向けた国際標準への取り組みを継続し、主要各国との調整を進めながら標準化活動を主導した。本研究により、継続的な安全性評価フレームワークの実現に向けた基盤が構築され、オールジャパン体制での安全性評価基盤の意義が明確化された。
