令和3年度「無人自動運転等の先進MaaS 実装加速化推進事業(無人自動運転等の先進MaaS実装加速化のための総合的な調査検討・調整プロジェクト)」報告書
報告書概要
この報告は、無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業について書かれた報告書である。
経済産業省製造産業局と国土交通省自動車局が共同で実施する本プロジェクトは、2021年度から2025年度までの5年間にわたって展開される自動運転技術の社会実装加速化を目的としている。プロジェクトの中核となる目標は、2025年度までに無人自動運転サービスを40カ所以上に展開し、IoTやAIを活用した新しいモビリティサービス(MaaS)の普及を推進することである。また、2025年以降には高速道路における隊列走行を含むレベル4自動運転トラックの実現を目指している。
プロジェクト全体は「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(RoAD to the L4)」として構成され、産業技術総合研究所を幹事機関とするコンソーシアム体制で推進されている。実施項目は5つの主要領域に分かれており、自動走行ビジネス検討会で定められた4つのテーマに基づくプロジェクト推進、人材育成、社会受容性向上、先進モビリティサービス事業の推進などが含まれている。
人材育成の領域では、自動車産業の構造転換に伴って必要となるハードウェア・ソフトウェア技術者、地域課題と技術をマッチングする人材など、多岐にわたる分野での人材確保と育成方法の整理が行われた。社会受容性の観点では、全国12,000名以上を対象とした消費者意識調査を実施し、ユーザ視点での情報発信や体験機会の提供、民事上の責任整理を通じた自動運転への理解促進が図られている。
先進モビリティサービス事業では、スマートモビリティチャレンジとして14地域での実証事業、物流MaaSの推進検討会による3テーマの取り組みが全国で実施された。これらの実証実験を通じて、地域の社会課題解決と地域活性化に向けたモビリティサービスの社会実装が進められている。報告書では、カーシェア事業とオンデマンドバス事業の改善検証について、データ分析に基づく最適化モデルの提案も行われており、モビリティサービスのDX推進における課題と展望が整理されている。
