令和3年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業 (電気用品 、ガス用品等製品のIoT化による安全確保の在り方に関するガイドラインの普及・市場動向等調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、IoT化された電気用品やガス用品等製品の安全確保に関するガイドラインの普及・市場動向等について調査した報告書である。経済産業省が令和3年4月に制定したガイドラインは、家電製品やガス製品がインターネット接続により利用される際の新たなリスクへの対策を定めており、従来のスリーステップメソッドに加えて予防安全機能という概念を導入している。調査では、IoT化が進む製品の将来動向として、3から5年後には空調機器、給湯器、照明器具、防犯機器等での普及拡大が予想されることが明らかになった。製造事業者の対応状況については、大手企業では既にガイドラインに沿った安全設計や予防安全機能の実装が進んでいる一方、中小企業では対応が遅れている実態が判明した。国内外でのトラブル・事故事例調査では、サイバー攻撃や通信遮断による重大な被害例は限定的であるものの、誤操作や設定ミスによる軽微な事故が散見された。海外動向としては、EUのサイバーレジリエンス法、米国のサイバーセキュリティラベリング制度、英国の製品セキュリティ法など、各国で関連法制度の整備が進んでいることが確認された。ガイドラインの実効性確保については、英語版の作成、業界団体との連携強化、普及啓発コンテンツの開発等の取組が提案されており、今後の継続的な推進が重要であるとされている。
