令和3年度規制改革推進のための国際連携事業(デジタルIDプラットフォームを活用したユースケースに関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、インド政府の総合デジタルIDシステム「India Stack」の成功を他国に展開するために開発されたデジタルIDプラットフォーム「MOSIP」について書かれた報告書である。
インドの「India Stack」は、総合デジタルID基盤を軸として決済や認証などの様々なサービスで構成されており、人口大国で深刻な格差問題を抱えるインドにおいて、ボランタリーなファイナンシャル・ソーシャルインクルージョンの実現に大きく貢献したと高く評価されている。この成功体験を他の国、特に途上国へ横展開することを目的として開発されたのが「MOSIP」であり、この海外展開における日本政府および企業の関与余地について検討が行われている。
本事業の目的は、MOSIPの現状および先進導入国におけるニーズの高いユースケースを整理することで、日本企業がMOSIPないしはそれに類するデジタルIDプラットフォームを活用したビジネス展開を検討する一助とすることである。調査・検討においては、まずMOSIPを基盤として実現できることの幅出しと検証を行い、デジタルID基盤導入で可能になるユースケースの幅出しと、展開対象国候補を選定してのケーススタディを実施する。さらに、これらを踏まえて日本政府および企業がMOSIPを担いで第三国展開を推進する意義とそれを踏まえた取り組むべき方向性を特定し、特定の国・地域や企業を題材としたケーススタディを実施して、今後のアクションプランも仮で策定することとなっている。
