令和3年度企業の多様な資金調達手法に関する実態調査調査報告書

掲載日: 2022年8月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業資金課
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報告書概要

この報告は、企業の多様な資金調達手法に関する実態調査について書かれた報告書である。経済産業省が2022年3月に公表したもので、金融機関を対象としたアンケート調査により、動産・債権担保融資(ABL)やFinTechを活用した新たな融資手法の利用実態と課題を明らかにすることを目的としている。調査は全国603社の金融機関に対して実施され、473社から回答を得た。

ABLの融資実績については、2020年度時点で全体の7割を超える金融機関が実績を有しており、第二地方銀行と政府系金融機関では100%の実績率を示している。しかし、2020年度のABL実行総数は7,788件、実行総額は603,477百万円となり、前年度と比較して大幅な減少が見られた。この背景には、新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府系金融機関による融資拡充や各種補助金の影響、また太陽光発電市場の飽和によるABL案件の減少がある。

担保種類別では、債権のみを担保とした融資が実行件数で最も多く3,116件を占め、機械設備と債権の両方を担保とした融資が実行額で最大の235,963百万円となった。業態別では、信用金庫・信金中央金庫が実行件数で2,568件と最多であり、地方銀行が実行額で287,457百万円と最大であった。融資残高については、2021年3月末時点で2,738,171百万円となり、地方銀行が全体の45.9%を占めている。

ローカルベンチマークについては、約8割の金融機関が認知しているものの、実際の活用状況は限定的である。FinTechの融資・審査への活用については、全体の約3割の金融機関が取り組んでいるが、システム構築費用やセキュリティ面での課題が指摘されている。新型コロナウイルス感染拡大を受けて、非接触型サービスの提供や業務プロセスの見直しが進んでおり、約7割の金融機関が何らかの対応を実施している。