令和3年度化学物質安全対策(業務用冷凍空調機器等の使用時漏えい量に関する実態調査)報告書
報告書概要
この報告は、業務用冷凍空調機器等からのフロン類使用時漏えい量の実態調査について書かれた報告書である。
令和3年度における化学物質安全対策の一環として実施された本調査では、業務用冷凍空調機器の使用時漏えい実態の把握と漏えい防止対策の検討が行われた。調査は株式会社野村総合研究所により2022年3月に完了し、令和2年度分の算定漏えい量報告の集計分析、平成27年度からの傾向分析、機器管理状況と冷媒漏えいの関係分析が実施された。
分析結果では、業種別の算定漏えい量報告において卸売業・小売業、製造業、運輸業・郵便業が主要な排出源となっており、2015年度から2020年度にかけての推移が千トンCO2換算で示されている。冷媒種別では、従来のR-22の占める割合に変化が見られ、算定漏えい量報告では減少傾向である一方、経済産業省データでは増加傾向が確認された。
使用時漏えい率の見直し検討では、漏えい量を補充量から推計する手法が採用され、データ精査の基本的考え方に基づいて経済産業省提供データの整理が行われた。充填回収業者・整備業者による充填実態と管理者の管理実態との比較分析により、冷媒管理システムへの登録・入力促進方策が検討された。
漏えい防止対策として、機器設置時のろう付け技術向上に資する技術者育成・確保方策、機器使用時の簡易点検・定期点検における常時監視・遠隔監視システムの課題抽出とあり方検討が実施された。さらに、フロン類のマテリアルバランス推計方法の検討と冷媒価格等動向調査が併せて行われ、総合的な化学物質安全対策の基礎資料が整備された。
