令和3年度化学物質安全対策(フロン類及び指定製品の製造業者等に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度化学物質安全対策におけるフロン類及び指定製品の製造業者等に関する調査について書かれた報告書である。本調査では、フロン類の需給ギャップ解消に向けた先駆的取組事例の収集と、指定製品の拡大に向けた検討調査が実施された。需給ギャップ解消の取組事例として、新冷媒対応機器の需要創出、フロン類の回収・引取り・再生販売ビジネス、欧州における冷媒の循環利用、レトロフィット技術の活用などが挙げられている。中京フロン株式会社では全国規模でフロン類の回収から蒸留再生、販売まで一貫したビジネスモデルを展開し、純度99.8%以上の再生フロンを「リフロン」ブランドで販売している。ダイキン工業では欧州において、Action社と連携して回収冷媒を再生し新規店舗の空調機器に再利用するプログラムを実施している。指定製品関係では、A2L冷媒を使用したビル用マルチエアコンの指定製品化について検討が行われ、2020年度中の指定製品化を目指し、HFC-32使用を想定してGWP値750、目標年度2025年度が提案されている。プレチャージ輸入品については、店舗・事務用エアコンや一体型冷凍冷蔵機器、カーエアコンの実態調査が実施され、中長期的なフロン類フェーズダウンに向けた検討も併せて行われた。これらの調査結果は、フロン類の適正な管理と代替技術の普及促進に向けた政策立案の基礎資料として活用される。
