令和3年度化学物質安全対策(インベントリ関連調査)報告書
報告書概要
この報告は、令和3年度における代替フロン等4ガス(HFCs、PFCs、SF6、NF3)の温室効果ガス排出量インベントリ集計調査について書かれた報告書である。我が国の温室効果ガス排出総量は気候変動枠組条約事務局へ毎年提出されており、フロン排出抑制法に基づく包括的対策の基礎データとして、フロン類のライフサイクル全般におけるマテリアルフロー把握が必要とされている。調査では2020年インベントリの集計等を暦年ベースで実施し、IPCCガイドラインに準拠した適切な推計方法により条約事務局審査に耐えうる内容とした。対象分野は9分野25業種にわたり、HFC等製造、発泡・断熱材、エアゾール等、冷凍空調機器、洗浄剤・溶剤等、半導体等製造、電気絶縁ガス使用機器、金属製品、消火剤の各分野について、業界団体へのヒアリングを実施し、Excelを用いた調査シートにより排出量の集計、推計、数値確認、修正を行った。1995年から2020年までの推計排出量は、1995年の58.7百万t-CO2から2020年の56.0百万t-CO2へと推移し、分野別では冷凍空調機器分野が47.2百万t-CO2と最大を占めている。産業構造審議会製造産業分科会化学物質政策小委員会フロン類等対策ワーキンググループで使用するための表・グラフの作成も実施した。また当初予定していたカーボンニュートラル2050実現に向けた検討会は新型コロナウイルス感染拡大により開催困難となったため、業界団体ヒアリングとインベントリ推計・分析により代替対応した。
