令和3年度中堅・中小企業輸出ビジネスモデル調査・実証事業(グリーン分野調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、グリーン調達を取り巻く現状と中堅・中小企業の海外展開支援について書かれた報告書である。
世界経済の復調が予想される中で国内経済の活性化に向け、中堅・中小企業の輸出増強が求められている現状を背景に、海外取引先によるグリーン選別の加速化に対応するプラットフォーマー支援事業の改善点を検討することを目的としている。業務概要として、海外市場の環境変化に応じた中堅・中小企業の海外展開における機会と脅威を整理し、必要な対応方策について調査・検討を実施した。
具体的には、海外のグリーン調達企業のヒアリング調査、欧米グリーン分野ビジネス支援企業の調査、国内グリーン分野ビジネス支援企業の調査と分析、効果的な支援策の検討、調査結果の周知説明会の実施という5つの業務を行った。
グリーン調達を取り巻く動向として、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応が国際的なスタンダードとなりつつあり、企業経営における中核的要素として4カテゴリ・11項目の開示が推奨されている状況が示されている。海外のグリーン支援ビジネス企業に対するヒアリング調査では、証明サービスやカーボンオフセット支援、コンサルテーション、ブランディング支援といった総合的な支援がビジネスモデルとして運用されており、大企業と中小企業間のコミュニケーション支援も行われていることが明らかになった。マネタイズについてはまだ小規模であるが、年間契約で2万ユーロから20万ユーロの間で支援費用が設定されており、現在はカーボンオフセット支援が主要な収益源となっている。これらの海外事例は日本のグリーン支援ビジネスモデル検討の参考として有用であると結論付けられている。
