令和3年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等委託費(自然災害によるLPガス設備の被害に関する予見可能性調査)事業報告書
報告書概要
この報告は、自然災害によるLPガス設備の被害に関する予見可能性について書かれた報告書である。令和3年度に経済産業省の委託を受けて株式会社パスコが実施した調査事業であり、激甚化する自然災害においてLPガス容器の流出被害が増加していることを受けて、被害発生の可能性が高い地域を特定し可視化することを目的としている。令和元年台風19号では1都11県で303本、平成30年7月豪雨では1府10県で580本のLPガス容器流出が確認されており、このような災害は今後も発生する可能性が十分にある。本調査では過去10年程度の災害事例と各種データを分析し、LPガス設備被害箇所の位置と被災要因となる災害現象を特定可能な資料を収集整理した。分析手法としては、過去のLPガス設備被害箇所の特徴別クラスタリングを行い、地形・地質等の指標との相関分析により大きな影響を与える要因を抽出し、重回帰分析による検討も実施している。全国の地形・地質等指標を1kmメッシュ単位で設定し、相関性の高い指標を用いて危険性地域を抽出し、上位20地域程度を特定している。抽出した地域では自治体公表のハザードマップを活用して想定被害範囲を検討し、過去に自然災害が発生している場合は実際の被害範囲と比較検証を実施した。最終的に自然災害によるLPガス設備被害危険度をメッシュ状で地図化し、直観的に被害リスクを把握できる複数の地図化パターンを作成している。
