令和3年度産業経済研究委託事業 デジタル化の進展等を踏まえた新しい産業構造・企業経営の在り方に関する調査・分析調査報告書

掲載日: 2022年9月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業構造課
タグ: DX推進
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令和3年度産業経済研究委託事業 デジタル化の進展等を踏まえた新しい産業構造・企業経営の在り方に関する調査・分析調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、経済産業省の委託により実施されたデジタル化の進展等を踏まえた新しい産業構造・企業経営の在り方に関する調査報告書である。日本企業の国際競争力維持・向上のため、企業変革とデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が不可欠な状況を背景として、全国の上場企業約2,600社を対象としたアンケート調査と国内外約10社の成功事例調査を実施した。調査では、日本型経営からの変革状況とDXの取組状況に重点を置き、441社から回答を得た。調査項目は人材マネジメント、成長投資・事業ポートフォリオ再編、グローバル経営、DXの4つの論点について23項目を設定し、企業が望ましい姿に近づいているかと必要な体制を整えられているかを評価した。成功事例として保険会社のDX推進を詳細に分析し、AIによる代理店営業支援システム「MS1 Brain」の開発・導入過程を紹介している。同社では金融ビッグバン後の競争激化を受けて業務効率化に取り組み、外部連携によるデータサイエンティスト養成プログラムを3段階で実施している。MS1 Brainは顧客ニーズを予測するビッグデータ分析システムとして、契約データや保険金支払データ等を活用し、代理店への効果的な営業支援を実現した。導入に際しては全国の支店を対面で往訪し、丁寧な説明により現場の理解促進を図った。報告書は日本企業のDX推進について、手段と目的を取り違えないよう現状分析に基づく課題明確化の重要性を指摘し、短期的投資効率だけでなく中長期的視点でのビジネス展開とマネタイズへの挑戦を提言している。