令和3年度九州地域の持続可能な発展に向けたソリューション及びマッチング調査事業 調査報告書
報告書概要
この報告は、九州地域の持続可能な発展に向けたソリューション及びマッチング調査について書かれた報告書である。経済産業省九州経済産業局が令和3年度に実施した本事業は、九州の地域企業に対するSDGs経営の浸透を目的として、BCP(事業継続計画)・防災を具体的な切り口として設定された。自然災害の多い九州において、企業が持続可能な開発目標を達成するためには、事業継続性の担保やリスク回避に対する事前対応が必要であることから、この分野における民間企業のソリューション・スキルの把握を図った。事業は四つの主要な取組から構成されており、第一に九州内の1,000社を対象としたアンケート調査やヒアリング調査による企業のソリューション・スキルの調査・分析が行われた。第二に、SDGs経営について学び理解を深めるための「SDGs経営」オンラインセミナーが全3回開催され、各回80名から115名の参加者を得て高い満足度を達成した。第三に、災害対応BCPに関するソリューション・スキルを持つ企業による「企業プレゼンテーション&個別相談会」がマッチングイベントとして実施され、65名の参加者による活発な意見交換が行われた。第四に九州SDGs経営推進フォーラムの総会・シンポジウムが開催され、170名の参加者に対してSDGs経営の理解促進が図られた。調査結果からは、BCPと防災がSDGsの理念である持続可能な開発や誰一人取り残さないという目標達成において重要な要素であることが明らかとなり、社会全体として防災や復興に取り組むことがSDGs実現に寄与することが確認された。また、企業のソリューション・スキルを有効活用するためには、様々な主体とのパートナーシップ構築が不可欠であることが示された。