令和3年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業(自動配送ロボットの社会実装及びサービス向上に資するルール形成等に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、自動配送ロボットの社会実装及びサービス向上に資するルール形成に関する調査について書かれた報告書である。PwCコンサルティング合同会社が令和3年度革新的ロボット研究開発等基盤構築事業として実施した調査結果をまとめたものであり、自動配送ロボットの普及に向けた制度整備や業界基準の策定に関する検討内容が示されている。
調査は三つの主要な柱から構成されており、第一に自動配送ロボットによるサービス向上に資する望ましいルールの在り方に関する調査である。この中では、サービス実施上のリスク要因の整理、実証実験を通じて明らかになった安全性やサービス向上に関する課題の分析、機体や運用に係る共通ルール整備が望ましい項目の特定が行われた。第二に、自動配送ロボットを活用したサービス成長に向けた素案の作成であり、他産業の先行事例調査や業界組成の動向分析を実施している。第三に、協議会及びワーキンググループの運営事務として、官民協議会やWGの事務局運営を担った。
令和3年度には新たに「サービス向上に資するルールの在り方検討WG」を設置し、産業界における自主的な基準や認証の仕組み検討を促進することを目的とした。このWGでは事業者が業界基準策定を見据えた際に重要と考える論点を整理し、基準策定の方針、認定・認証の主体や効力、基準の内容に関する個別論点について詳細な検討を行った。対象となる自動配送ロボットは最高速度6キロメートル毎時以下、長さ120センチメートル×幅70センチメートル以内の低速・小型機体であり、歩道での走行を前提としている。検討結果として、遠隔監視・操作システム、機体性能、運用方法に関する具体的な論点が整理され、今後の業界基準策定に向けた基盤が構築された。
