令和3年度中小企業新事業創出促進対策事業委託費(スタートアップ向け経営人材支援事業)スタートアップエコシステムの創出にむけた大企業人材の流動促進に関する調査

掲載日: 2022年10月6日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局技術振興・大学連携推進課
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令和3年度中小企業新事業創出促進対策事業委託費(スタートアップ向け経営人材支援事業)スタートアップエコシステムの創出にむけた大企業人材の流動促進に関する調査のサムネイル

報告書概要

この報告は、大企業人材のスタートアップへの流動促進によるスタートアップエコシステム創出について書かれた報告書である。スタートアップの成長に不可欠な経営人材不足の解決を目的とし、経済産業省が実施したSHIFT(x)事業における7つのモデル事業の実証結果を分析している。現状では大企業からスタートアップへの人材流動が停滞しており、その要因として人材流動の仕組み不足と大企業人材のスタートアップキャリアに対する価値認識の不十分さが特定されている。人材紹介事業者においては、スタートアップの相対的に低い年収水準により仲介手数料のマージンが小さく、ビジネスモデル上の魅力に欠けるという構造的課題が存在する。大企業人材の流動確度を高めるためには、単なる成長意欲ではなく「スタートアップでしか得られない価値」への志向性を深める必要があり、自己分析を通じて明確な目的意識を形成することが重要である。調査では人材を決心層、関心層、無関心層に分類し、それぞれに応じたアプローチ手法を提示している。結論として、効果的な人材流動にはスタートアップの成長に寄与する視点が不可欠であり、個人のニーズとスタートアップのビジョンとの整合性、リスクを含むリアルな認識、相互理解に基づく効果的なマッチングが求められると結論づけている。