令和3年度産業技術調査事業(地域におけるオープンイノベーションの推進に向けた研究拠点の在り方と活性化に向けた調査)報告書

掲載日: 2022年10月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局技術振興・大学連携推進課大学連携推進室
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和3年度産業技術調査事業(地域におけるオープンイノベーションの推進に向けた研究拠点の在り方と活性化に向けた調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、地域におけるオープンイノベーションの推進に向けた研究拠点の在り方と活性化に関する経済産業省の令和3年度調査事業について書かれた報告書である。

Society5.0において分野横断・融合的なイノベーション創出が求められる中、企業の競争力維持・成長にはオープンイノベーションが極めて重要である。日本では産学連携による共同研究が質・量ともに増加している一方、都市部と地方の格差が拡大しており、地域経済を取り残さないイノベーション・システムの構築が急務となっている。経済産業省は令和2年度からJ-Innovation HUB地域オープンイノベーション拠点選抜制度を創設し、企業ネットワークのハブとなる17拠点を選抜した。本調査事業では、これらトップ層拠点の更なる後押しや拠点間競争を促すため、伴走支援の在り方について調査を実施した。

調査は4つのタスクで構成される。第一に、地域イノベーション拠点に対する伴走支援では、オープンイノベーション事業者79社をプロットしたカオスマップを作成し、各拠点のニーズに応じた18社の事業者紹介冊子を作成した。第二に、Jイノベのブランディング向上では、制度概要・公募情報・拠点紹介を一元化したポータルサイトを開設し、産業界向けの公開シンポジウムを開催した。第三に、地域イノベーション拠点の在り方については、デスクリサーチと拠点ヒアリングを通じて現状把握を行い、拠点間交流会により他拠点の取組共有を図った。第四に、Jイノベの在り方では、拠点の機能強化と周知・広報強化の観点から伴走支援の評価と改善点を整理した。

調査結果として、各拠点は一体的な周知・広報によるブランディングと資金面での支援を強く求めていることが判明した。アウトリーチ活動強化に重点を置いた支援により、仕組みづくりは進展したが、今後は個別拠点に寄り添ったオーダーメードの伴走支援が求められる。拠点運営に係る人件費等の間接費支援は現在のメニューに含まれておらず、他府省庁の施策も含めた代替手段の提案が必要である。支援内容に対する拠点満足度は高く、今後は定量的成果発信によりブランド価値向上を図ることが期待される。