令和3年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(国内外における水素・燃料電池に関する動向及び利活用可能性調査)報告書

掲載日: 2022年10月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課水素・燃料電池戦略室
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報告書概要

この報告は、国内外における水素・燃料電池に関する動向及び利活用可能性について書かれた報告書である。

本調査は資源エネルギー庁の委託により、2050年カーボンニュートラル実現に向けた水素社会構築に関する包括的な調査として実施された。主要な調査項目として、水素利用先の多様化・クリーン化、国際水素サプライチェーンの構築加速化、水電解装置のコスト低減・電力システム統合、資源外交・インフラ輸出の一体的推進の4分野について詳細な分析が行われている。国際的な取り組みにおいては、Mission Innovationによる「Hydrogen Valley」プロジェクトが注目されており、2021年時点で世界36か所のプロジェクトが進行中である。これらのプロジェクトは数千万ユーロ規模の大規模投資により、製造から貯蔵・輸送・利用まで包括的なバリューチェーンを構築し、複数セクターへの水素供給を目指している。

技術面では、アルカリ水電解、固体高分子形水電解(PEM)、固体酸化物形水電解(SOEC)の各技術について、コスト低減とスケールアップの取り組みが加速している。欧州では再生可能エネルギー指令により水素の品質認証制度が整備され、米国ではカリフォルニア州を中心とした低炭素燃料基準(LCFS)により水素ステーション整備が促進されている。さらに、日本国内では九州エリアでの余剰電力活用によるP2G(Power to Gas)プロジェクトが進展しており、変動再エネと水電解装置の組み合わせによる効率的な水素製造システムの構築が検討されている。福島県においては水素社会のモデル構築として、産官学連携による関連産業の集積・育成が推進されており、今後の水素エコシステム形成における重要な拠点として位置付けられている。