令和3年度大阪・関西万博政府開催準備事業(コンテンツの具体化に係る業務)事業報告書

掲載日: 2022年10月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ博覧会推進室
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報告書概要

この報告は、2025年開催予定の大阪・関西万博における新しい万博のあり方と社会課題解決への取り組みについて書かれた報告書である。

報告書では「People’s Living Lab」をコンセプトとした万博2.0の実現を目指しており、従来の「モノを見せる」万博から「コトを感じる」万博への転換、さらに「観る」万博から「参画し、共に創る」万博への進化を提唱している。この新しい万博は、SDGs達成やSociety 5.0実現に向けた未来社会の実験場として機能し、地域経済活性化の起爆剤となることを目指している。

環境・エネルギー分野における具体的な進化として、カーボンニュートラル技術の発展が挙げられている。太陽光発電の高効率化、宇宙太陽光発電や超臨界地熱発電等の大規模発電技術、GHG排出量削減技術、カーボン・リサイクル技術等の実用化が進展している。また、消費者のGHG排出量削減への関心が高まり、環境配慮商品の選択やブランド化が進んでいる。

日本的な課題への向き合い方として、京都学派の哲学的アプローチが紹介されている。西田幾多郎の主客合一論と絶対矛盾的自己同一の概念、今西錦司の棲み分け理論が説明され、西洋的な二元論や進歩史観を超えた包摂的な思考が示されている。これらの思想は、人と自然の共存、全体性の中での多様性の受容という、持続可能な社会実現に向けた日本独自の視点を提供している。