令和3年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業スーダン共和国向け電力及びインフラ市場調査・要望確認事業最終成果報告書(概要版・日本語)
報告書概要
この報告は、スーダン共和国向け電力及びインフラ市場調査・要望確認事業について書かれた報告書である。令和3年度に経済産業省の委託により、三菱商事株式会社、三菱商事マシナリ株式会社、日本工営株式会社が共同で実施した質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査の成果をまとめている。スーダンは面積188万平方キロメートル、人口約4,281万人のアフリカ大陸第3位の大国であり、豊かな天然資源と肥沃な大地に恵まれ、アラブとアフリカの結節点として7カ国と国境を接している。主要産業は鉱業、農業、林業、畜産業であり、金、鉄鉱石、アルミニウムなどの鉱物資源や、ソルガム、小麦、綿花などの農産物を生産している。本調査では電力分野においてガス火力発電、低損失電線、蓄電池、地熱発電などの日本技術の活用可能性を検討し、港湾分野では特殊鋼板や特殊工法の適用を検討した。電力セクターでは既設設備の老朽化と電力需要の増加による供給不足が課題となっており、ガスタービン発電や送電網の整備が必要とされている。港湾セクターでは現在の貿易量の9割を扱うポートスーダン港とは別に、スアキン港の国際港湾化が検討されており、大型船舶の寄港を可能とする港湾施設の整備が求められている。今後の進むべき方向として、円借款を活用した事業実施枠組みの構築や第三国連携の活用が提案されており、次段階調査では港湾セクターマスタープランの策定、貨物需要予測、自然条件調査、環境社会配慮の実施が必要であるとされている。
