令和3年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(インドネシア(バリ島)スマートシティ開発に向けたスマートモビリティ・インフラ開発調査事業)報告書

報告書概要

この報告は、インドネシア(バリ島)でのスマートシティ開発に向けたスマートモビリティ・インフラ開発調査について書かれた報告書である。令和3年度に経済産業省が実施した質の高いインフラ海外展開に向けた事業実施可能性調査の一環として、一般社団法人益田サイバースマートシティ創造協議会、株式会社電通、アーキテクトグランドデザイン株式会社、KYB株式会社が連携して調査を行った。報告書では、インドネシアの社会問題として大気汚染や交通渋滞等が深刻化している中で、スマートシティ開発政策が推進されている現状を踏まえ、バリ島をモデル地区として選定した理由とその意義を説明している。バリ島は政府の「Next 10 Bali」観光政策の重点地域であり、EV特区としての規制緩和や実証実験の場として位置づけられている。調査では三つの主要テーマに分けて事業可能性を検討した。第一に道路モニタリングシステムの開発では、日本の道路維持管理技術を活用したスマート道路モニタリングシステムの導入可能性を検証し、高精度GNSS測位技術やデジタル地図データの活用によって効率的な道路保守を実現する方向性を示した。第二にMaaS(Mobility as a Service)プラットフォーム開発では、バリ島の観光産業における交通課題解決を目的として、EVを活用したオンデマンドバスサービスや観光MaaSの導入を検討し、サヌール・ヌサペニダ地区を実証サイト候補として具体的なサービス設計を行った。第三にEV向け分散型電源・充電インフラ開発では、2045年までのEV政策ロードマップに基づき、太陽光発電やバイオマス発電を活用した分散型電源システムと充電ステーションネットワークの構築可能性を評価した。