令和3年度皮革産業振興対策調査等(我が国皮革関連産業の持続的発展及び競争力強化に向けた調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、アジア地域における皮革関連産業の動向と我が国皮革産業の競争力強化について書かれた報告書である。我が国皮革関連産業は低成長・人口減少の国内市場状況、欧州やアジアからの輸入品との競争、原材料調達難、新型コロナウイルス感染症の影響による需要減少など厳しい状況にある。さらにエコ・サステナビリティへの意識の高まりやデジタル・オンラインビジネスの拡大により、皮革関連産業を取り巻く環境は大きく変化している。
調査はアジア地域の中国、タイ、インドネシア、ベトナムの皮革関連産業について、現地業界団体や皮革製品メーカーへのオンラインヒアリングを通じて実施された。各国の皮革製品市場や消費者特性、日本製を含む外国製皮革の印象等を分析し、新たな販路開拓に向けた進出可能性を検証している。
我が国皮革関連産業の持続的発展については、国内外における先進的取組や参考事例の収集が行われた。特にサステナビリティ対応として、LWG認証取得やアニマルウェルフェアへの配慮、環境負荷低減への取組などが重要視されている。嶋田悟製革所による新素材「ゼオライト鞣し」の開発や、日本皮革産業連合会による「日本エコレザー」基準の見直し、新たなサステナブル企業認証制度の検討など、具体的な実践例が紹介されている。
調査結果を踏まえ、今後の皮革関連産業振興に向けた検討・分析が行われ、国内皮革関連事業者が取り組む際の留意点や成功へのポイントが整理された。最終的に皮革業界向け調査報告会がオンライン開催され、26名の参加者に対して調査結果の周知・普及が図られた。
