令和3年度化学物質安全対策(第一種特定化学物質含有製品等の安全性に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、第一種特定化学物質含有製品等の安全性について書かれた報告書である。経済産業省委託事業として一般財団法人化学物質評価研究機構が令和3年度に実施した調査であり、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく第一種特定化学物質による環境汚染の防止を目的としている。調査対象は3つの化学物質群に分けられ、第一部ではデカブロモジフェニルエーテル及びポリブロモジフェニルエーテル(臭素数4~7)を扱っている。これらの物質は難分解性、高蓄積性、毒性を有する化学物質として製造輸入が原則禁止されており、含有製品の輸入も制限されている。調査では試買検査による製品中の第一種特定化学物質の含有実態を確認するため、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計を用いた詳細な分析手法を採用した。ポリブロモジフェニルエーテルについては209種類の異性体が理論的に存在し、臭素数4~7は平成22年、臭素数10は平成30年にそれぞれ第一種特定化学物質として指定された。第三部のヘキサクロロベンゼン含有製品調査では、試料の前処理から機器分析まで体系的なフローチャートに基づく手法を確立し、定量下限0.01μg/gという高精度での分析を実現している。これらの調査により第一種特定化学物質等による環境への影響を未然に防止する取り組みの有効性を検証している。
